Serenita

感情の消化。

西日本18きっぷ女一人旅 〜兵庫・姫路編〜

 

兵庫・姫路

 

次の日の朝、9時オープンの姫路城に9時7分に入城。台風一過ということもありこの日も暑かったため、チケット売り場ではこまめな水分摂取が呼びかけられるほど。文化財保護的に飲食禁止なイメージがあったけど、意外と積極的に飲んで良いらしい。

 

入場料1000円。去年の春?に東北18きっぷの旅をしたときも、世界遺産の入場料高い…って思った気がするけど、デジャブかな…。でも姫路城は単独なので、他の建物を回るごとに入場料が必要なわけではないから良き…!

 

高い入場料のおかげで整備が行き届いている。姫路城までの道路は綺麗で、お城が見えているからなかなか迷うこともないのに看板が設置されている。中の説明は誰が見ても分かりやすいし、草木の手入れも完璧。チケット売り場に人がポツンじゃなくて、敷地内のあちこちにスタッフさんがいてくれる。見た目からして姫路城愛に溢れているガイドさんもたくさんいて、中に入ると声をかけられる。(おそらく有料なのだが適度にしつこくなくて良い。)

姫路城手前の標識。イングリッシュオンリーなのすごい。

 

数年前に中学の同級生と熱海に行った時、そいつが「俺明後日から兵庫あたり旅行してくるわ」と言い出した。その時私は西日本未上陸で何のイメージも湧かなかったのだけど、「姫路城見たくなった」とかなんとか言ってたのを覚えている。姫路城は他のお城とは違うらしい。へー。

 

確かに、1993年に法隆寺と共に日本で初めて世界文化遺産に登録されたのが姫路城。

 

去年の18きっぷ旅の時と同様、短期記憶で勝負した世界遺産検定の知識はほぼゼロだけど、兵庫に行ったら絶対行こうと思っていた。いざ入城。

もうすごい…

わりと歴史的なやつって周る順序が決まっていることが多い気がするけど、姫路城は入ってすぐに分かれ道。うーん。知識ないから何を見るべきなのか分からない(苦笑)。ということでちらっと見えた百間廊下に入ることに。

 

百間廊下は文字通り長さおよそ300mの廊下。靴を脱いでから中に入る。

 

照明は多分なかったけど意外と明るいなあ、と思っていたら(もちろん)窓という窓が全開。虫とか入ってこないのかな…とどうでもいいことが心配になった…。

 

姫路城は普段なら入場制限がかかるほど混むこともあるらしい。私が行ったのは9月の平日、しかも朝9時だったからか、チラホラ人がいるくらいでほぼ1人で廊下を歩いてました…。=虫が出たら大問題…

 

にしても廊下は現代でも旅館とかにありそうな造りで、本当に江戸時代にこの技術があったということがすごい…!前々から言っているけど、もしタイムスリップできたら私は絶対江戸時代に行きます。

 

廊下の右側にはいくつもお部屋があって、その中に姫路城の歴史に関するパネルが置かれている。左側からは時々景色が見えるが、昔はここが防御の弱点だと言われていたらしく、石を落としたり、銃を構える穴がいくつも空いていて面白い。

 

あといつも通り何の予備知識も持ち合わせずに来たけど、姫路城といえば千姫で有名らしく…私は日本史の知識が中学生で止まっているので(…留学してたから高校で日本史やる機会なかった…)千姫と聞いても「…だれ???」なのですが…知らなくても説明のパネルが物語調に書かれていて分かりやすく、これがけっこうおもしろかった!!

 

〜(超)ダイジェストでお届けする千姫物語〜

千姫徳川家康の孫娘(つまり徳川家康がおじいちゃん!2代将軍秀忠の娘であり3代将軍家光の姉でもある!)、京都出身。

 

7歳の時に豊臣家に嫁いだけれど、徳川家vs豊臣家の争いによって夫の秀頼が自害…この時千姫19歳。豊臣家は滅亡し、千姫は燃えさかる大阪城から救出され…江戸に戻る途中で運命の相手、本多忠刻と出会い再婚。(この本多さん何者?と思うかもしれませんがとりあえずイケメンだったらしい。)

 

彼のお父さんが姫路城の城主となったため、姫路城で暮らすことになる。一男一女に恵まれ、姫路城での生活は千姫にとって生涯で一番幸せな時間だったらしい。でも幸せな時間は続かなかった。(泣き泣き)

 

長男は3歳の時に亡くなり、その5年後夫の忠刻が31歳で亡くなってしまう…夫が亡くなる3年前、千姫は化粧櫓から見える男山に天満宮を建設して魔除けの羽子板を奉納。毎日この百間廊下の格子から祈っていたらしい…(泣き泣き泣き)

 

その後千姫は江戸に戻り1666年、70歳で亡くなったそうです。

〜以上千姫物語〜

 

ちゃんと今も格子の隙間から男山の天満宮(現在は男山千姫天満宮と呼ばれている)が見える。ちょっとだけ、千姫の生涯に想いを馳せてしまいます。百間廊下には羽子板も沢山展示されている。

千姫が拝んでいた男山

学校で習う歴史の裏にこんなロマンチックなストーリーがあったなんて…!まず徳川家康がおじいちゃん、家光が弟というのが不思議な感覚。江戸幕府を開いて鎖国をして、参勤交代をさせた人って前に、家族がいてそれぞれの人生があったということ…。歴史は教科書の太字を覚えることじゃないって何十回目かの気付き。

 

そしてそして長かった百間廊下を抜けてついに天守閣内部へ。百間廊下を1人で歩いている時は、私だけタイムスリップしてたりして…って気分になっていたけど、天守閣に来たら一気に人が増えた。みんなここにいたのね…。

その前にこの写真。この色々な形に開けられた穴から攻撃ができるようになっていたらしい。唯一世界遺産検定で勉強したことを覚えている知識で実際に見ることができて感動。

天守閣は6階建でその建築技術だとかデザインが素晴らしいらしい。2015年くらいまで修理をしてたらしく、ちょうど良い時に来れてよかった。(なんてったって、数日前に厳島神社に行ったところ、かの有名な鳥居が修繕工事中だったのです…)

 

内部は上に行けば行くほど階段も急で狭くなり、格子の隙間から見える景色はどんどん綺麗になっていく。みなさん2階あたりで窓の外の写真をとっているのだけど、この先毎階景色は見れるので、4階くらいからは窓際も空いてくる(笑)そして最上階の6階でこの日1番人間を見た。こんなにいたん!!ってほど(笑)窓から見える景色はやっぱり綺麗。「姫路駅まで伸びるまっすぐな大きい道路はやっぱり岡山っぽいな、」と心の中で再確認した。

ここからだとだいぶ小さく見えるけど…。

姫路城は何百年もの間、ここで姫路の街が変わりゆくのを見てきたし、これからも見ていくんだろうなあ…。

 

私的に印象に残ったパネルは、第二次世界大戦中の話。姫路空襲で姫路の街は焼け野原になってしまったらしい。でも姫路城だけは奇跡的に生き残った。その実際の写真がパネルに展示されているのだが、本当に姫路城だけがぽつんと、でも荘厳と残っている姿がすごく印象的で。空襲に備えて布がかけられていたらしいが、そうだとしても姫路城だけが綺麗に残っている写真を見ると偶然とは思えない。調べてみたが真相は不明で、やはり「偶然」ということになっていた。

 

だから私は、敵国だとしても守らなければならないほど価値があるものだと思われたんじゃないかって必然説を推してみる。

 

この考えの延長線上に、この歴史を築いてきた人々のことも大切にしたいって考えがあってもよかったんじゃないかなあ。太平洋戦争はそもそも日本が悪いのだけど。

 

何かを美しいと思えること、何かを尊いと思えることは、誰かを大切にすることとニアリーイコールなのかもなあ…と思った。(ちなみにこの日撮った写真やら動画やらをアメリカ人に送ったらとても感動してた。)姫路の街は焼けてしまったけど、そこから復興する過程も全部、姫路城はあの場所から見守ってきた。江戸時代云々の話が多かったせいか、世界大戦あたりの話は身近に感じてパネルをだいぶ詳しく読んだ気がする。

 

天守閣を出ると猛烈な暑さだったので、そろっと駅に戻ることに。ところで姫路城入場の券と同時に好古園入場券を付けることもでき、50円しか違わないので、私は1050円の両方に入れるチケットを購入していた。しかしまあ何も調べてないので好古園ってなんぞやという状況でこの暑さ。数日前の岡山の後楽園が思い出され、庭系はもう見たからいっか。と帰りました。はい。

 

今現在ブログを書きながら好古園ってなんだったのだろうと調べてみるとめちゃくちゃ綺麗…。でもやはり夏に行く場所じゃないかもしれないとあの日の自分を正当化。

 

駅に戻る途中にあるカフェで可愛い可愛いメロンクリームソーダを飲んだ話を書いて終わりにします。とてもかわいくて、何より涼しくて生き返った。このカフェはごはん系も人気そうだったのだが、電車の時間が迫っていたので爆速で飲み干し駅に向かった。姫路に来たらこのカフェもまた来たい。

伝票にうさぎさんを描いてくれるあたり…❤︎

さて、このあとお昼12時前の電車で瀬戸内側から一気に日本海側へと移動した。その話は次に書く…。この記事書くのに時間かかった…。学校の課題もえぐかったし、日本史の知識がなさすぎて調べてたら時間が…(アセアセ)

 

最後に、姫路城は結局誰が建てたの?という疑問も出てくるかもしれないが、姫路城は豊臣秀吉を含め色々な人がちょこちょこと作っていったものなので、明確にこの人!とは言えない。

 

そして姫路城は本当に他のお城とは違うの?という疑問だが…私はそもそもお城といったら会津鶴ヶ城くらいしか見たことがないので、姫路城の特別さが分かったような、分からなかったような…(笑)でもまあ、これからの人生で色んなお城を見たらきっと、姫路城の印象も変わっていく気がする。

 

 

この旅で遣ったお金

 

朝ごはんカフェ 680円

姫路城+好古園入場料 1050円

カフェのメロンクリームソーダ 671円

お水 110円

 

2511円也。

 

これはこの日の午前中分。旅も終盤でお金がなくなってきているので、姫路はお土産もパスした(笑)