今回の記事の大枠(大文字部分)
羽田→シンガポール→ロンドン→ブリュッセル→アムステルダム→ブリュッセル→ロンドン→バルセロナ→マドリード→パナマ→アルバ→キュラソー→アルバ→パナマ→ヒューストン→ダラス・フォートワース→ロサンゼルス→成田
ついにこの記事を書くときがやってきた。(嬉しい)
カリブ海に浮かぶ島、アルバを知っている人は日本でどのくらいいるだろう。某有名旅行ガイドブックにすら見開きの1/4しか載っていない場所。年間の日本人観光客はもしかしたら両手で数えられるくらいかもしれない。検索してもほとんど情報がないため、今後行かれる方のためにも基本情報を書きつつ、未知の国アルバを語りたいと思う。
アルバ基礎情報
アルバ 🇦🇼(Aruba)
面積:189㎢(石垣島より少し小さい)
通貨:フロリン
人口:11万2000人(石垣島の2倍ちょい)
アルバ(Aruba)は隣のキュラソー(Curaçao)、ボネール(Bonaire)と合わせてABC諸島を構成しており、高度な自治が認められたオランダ領である。便宜的に「アルバ」と表記するが、実際の発音は「アルーバ」に近く、英語でもしっかり「u」の音を発音していた印象。
2つの公用語以外に、スペイン語と英語が広く使われており、現地の人はマルチリンガルで観光客の出身地に合わせて言語を変えることができる。そして現地の人同士の会話はパピアメント語が使われている。パピアメント語??という感じだが、パピアメント語はABC諸島で話されているクレオール言語である。(こんな面白い言語、私の前の大学が黙っている訳ないと思ったら、やっぱり色々な研究がされていた。)
通貨はフロリン。響きが可愛い。1フロリン=1.79$に固定されており、ドルでの支払いができる。観光客の多いところはドル価格が別で用意されてあり、ローカルなところはその場で計算してくれるので、この先一生使わないであろうフロリンへの換金は不要だが、現金しか使えない場所も多いのでドルは現金で持っておくと良い。
2023年2月の出身国別観光客数はアメリカが75.2%と大半を占め、次がカナダで7.9%、本国のオランダがわずか3.5%、コロンビア3%、アルゼンチン1.6%、ブラジル、チリ、スウェーデン…と続く。残念ながら日本人がどのくらい入国しているかは不明だが、その他4.3%に私は含まれたのだろう。アルバの空港は、アメリカ、カナダ、コロンビアをはじめとする11カ国26都市と直行便で結ばれている。コロナ禍で海外旅行が制限された時、オランダ人はABC諸島でバカンスしたらしい。確かにそういう時、海外領土を持っていると便利かも(?)
日本からはアメリカを経由すれば乗り継ぎ1回で来れてしまう。が、それよりもアルバに行く人の中で多いのはカリブ海クルーズに参加しているパターンだと思う。エメラルドグリーンの海とコロニアルでカラフルな建物を求め、多くの外国人観光客がABC諸島の各島に1日ずつ滞在する。観光とレジャーはアルバの2021年のGDP30億ドルの80%を占めているほど重要な産業なのである。
パナマシティからアルバへ
さて、前置きは長くなったが、いざアルバへ行こう。私は今回ママさんとママさんがいつも旅行を共にしているドーナおばさんと3人で行く。パナマの航空会社コパ(Copa)航空を利用し、アルバまで1時間半のフライト。預入荷物が有料だったため手荷物だけで行く。私はトートバッグ1つで、見送りに来ていたドーナおばさん一家から驚かれた(笑)
パナマの出国審査はパナマ人だろうと外国人だろうと、見ているのか見ていないのか毎回一瞬で終わる。荷物検査を通過し、ゲート前で2時間も待った。(ほら、やっぱり朝早すぎだって!!)余談だが、パナマの空港は最近ターミナル2が完成し、KLM、エアフランス、コパがT2を利用している。(私はイベリア航空でパナマに来たため、来た時はT1だった。)そして私がパナマを去った後の3月11日、メトロのライン2が T2と接続し、ついにパナマの空港は市街地とメトロで結ばれるようになった。これはすごいことで、ラテンアメリカで空港にメトロでアクセスできるのはメキシコシティのみだったため、パナマはその2番目の国となり、かなり鼻高々なのである。
話をアルバ行きに戻そう。ゲート前で待つ多くの客はすでにバカンス気分。「アルバに行くやつなんかいるんか」と思っていたが、意外と普通の飛行機で満席だった。ママさんとドーナおばさんの荷物は、なぜか搭乗前に大きすぎと注意を受け、預入荷物とされた(無課金)。パナマに少しばかりのお別れをする。そうそう、朝家を出る時また断水で水が出なくなった。アルバは一応オランダ領のため、私は文明に期待する❤︎
コパ航空は日本ではあまり聞かないので、危険なにおいがするかもしれないが、今回が5回目ユーザーの私的にはわりと良い航空会社な気がしている。短時間の移動でも飲み物や食事を提供してくれるので、今回も1時間半のフライトで飲み物やスナック菓子が提供された。
アルバの空港はビーチのすぐ脇に建てられており、着陸時の窓からの景色がこの世のものとは思えないくらい本っっっっっっ当に綺麗で「オーマイガー」としか言えなかった。と同時に、アルバ周辺は年中貿易風が強く吹いているため、機体もかなり揺れた。怖すぎてオーマイガー。
着いた空港は「ザ・島の空港」という感じ。のわりに到着客が多いため入国審査エリアに入れる人数は制限されており、長蛇の列だったため私たちはトイレに行くことに。なんの疑いもなく入ったトイレが男子トイレで、私たち3人は慌てて出て大爆笑。ああ、もうすでに良い旅になりそう。
私は国の印象はトイレで決まるんじゃないかと思っているが、オランダ領のこの国はまずトイレットペーパーが流せた。これはラテンアメリカから来ると大きな進歩。しかも自動で流れるタイプでよく見るとTOTO製(感動)。そして手を乾かすハンドドライヤーがあの大英博物館にもあったダイソン製(感動の涙)。でも扉の隙間はでかかった(涙は打ち消された)。
アルバ渡航準備に関する教訓
まずアルバに行く人全員に読んでいただきたい注意事項。アルバ入国にはオンラインでの事前登録が必要である。全然知らずに未登録で入国審査を受け、後ろにあるパソコンでやってから出直せと言われる始末。まぁ、つまり、到着後にもできるけど、地味に時間がかかるので絶対事前にやるべき。
教訓①:オンライン登録をしましょう
続いて、日本からの入国の場合ほぼ関係ないが、黄熱病(Yellow Fever)のワクチンについて。私はイエローカードの提示が求められなかったので余裕の入国だったが、最悪の場合入国拒否される場合もあるため、出発国がリスク国に指定されていないか調べておくべき。
教訓②:黄熱病のワクチンは打ちましょう
(結局そこ)
一度アルバの空港を出ると、時折立っていられないほどの暴風が吹き荒れる。飛行機が揺れたのも納得。日差しは暑いものの、風が吹くのでカラッとしていて涼しい。ここで私たちはレンタカーを借りようとしたが、もうすでに予約がいっぱいでどこに行っても謝られた。
教訓③:レンタカーは事前に予約しましょう
アルバ生活始まり始まり〜
仕方がなく私たちは2キロ弱の道のりに25ドルも払い、タクシーで宿泊するエアビーへ行った。エアビーの管理者は20代くらいの白人女性で、いかにもな移住者感。一通り部屋を説明した後に、「ところであなたたちはどういう関係?」と聞いてきた。
そうなのだ。私たちは側から見たら不思議な組み合わせなのだ。ママさん(50代黒人)、ドーナおばさん(60代黒人)、私(20代アジア人)。残念ながらどれだけ「多様性」を謳う国でも、今の「サラダボウル」な世の中ではほぼほぼない組み合わせ。だからママさんが丁寧に説明しても管理者のお姉さんは不思議そうに私を見ていた。でも他人から認めてもらう必要なんてないと思う。「家族」とか「友達」とか、そういう枠に当てはめる必要も。
お姉さんが出て行き、部屋でエアコンをつけるともう動く気がなくなった3人。そういえばアルバはパナマよりも1時間早い。日本との時差は13時間である。
とりあえずここから7泊滞在するための食料などを購入しに、すぐ近くのスーパーへ歩いた。アルバのスーパーは中国人が経営しているものが多いと聞いたが、このスーパーも例外ではない。入るとすぐのところにレジが1つあり、中国人のおばさんがスマホをしている。私たちは「Hi」と声をかけて入店したが、ガン無視。さて、島のスーパーのラインナップが気になるところ。
このスーパーは何でも屋で、食品だけでなくシャンプーや衣料品、おもちゃ、お皿などありとあらゆるものが売られている。どこから輸入しているのかは分からないが、中にはパナマの国旗がついたものがあり、ママさんとドーナおばさんはテンション爆上げだった。まあ、確かにパナマはほぼ輸入依存の国のため、他国に行ってパナマ製に出会うことはほぼゼロ。こんな小国でパナマ製品を発見するとは。
パスタやシャンプー、トイレットペーパーなど大量の商品をレジに持って行くと、超迷惑そうな顔をする中国人店員。それもそのはず。バーコードではなく、1つ1つ手打ちで入力しなければならない。後ろにはジュースだけを買いにきた現地の人が並んでいた。特にイライラもしてなさそうに見えたのは、「島=スローライフ」という偏見からだろうか。私は申し訳なさでいっぱいだったが。
最後に合計金額をドルに換算し、ママさんがドルで払ってくれた。アルバではビニール袋がもらえないため、不織布のバッグを買い、入らないものは私が無料のダンボールに詰めた。「頭いいわね。」とママさん。小さい頃から購入品を袋に詰めることが得意なのと、レジバイトしてるからね。(笑)
私たちは大量の日用品を抱えてエアビーに戻った。こんな小さい島のために飛行機と船で商品を運んでくるなんて、コスパ悪すぎないか?と思ったけど、クルーズ船や飛行機が毎日来るからそれで成り立っているのだろうか。物価も高すぎる感じはしなかった。レタスなどの葉物類をはじめとする生鮮食品は少し高めだったかもしれない。
いつものことだけど、長すぎる記事になったので続きは次に書く。まだまだ書きたい話は有り余っている。
【参考文献】