Serenita

感情の消化。

【世界一周】#41 大好きな人たちに会いに行く旅 〜LAから東京へ〜

今回の記事の大枠(大文字部分)

羽田→シンガポール→ロンドン→ブリュッセルアムステルダムブリュッセル→ロンドン→バルセロナマドリードパナマ→アルバ→キュラソー→アルバ→パナマ→ヒューストン→ダラス・フォートワース→ロサンゼルス→成田

前回の続き…。空港泊が明けて。

 

ZIPAIRで東京へ

翌朝もLAは大雨だった。9時前からチェックイン。長距離フライトを前に疲労困憊の私。今回はLAから東京間を話題のZIPAIRで飛ぶ。ZIPAIRは2020年にできたばかりの新しい日本のLCCで、JALの子会社でもある。就航し始めて3年がたっているが、コロナもあり、まだ乗ったことがある人は少ないのではないか。

 

ちなみに私はLA→東京の片道を4万6000円で購入し、荷物と食事1つのオプションを追加して6万1000円だった。LCCといえど、片道にしてはそんなに安くないのだが、他と比べたらマシ?くらいな価格設定。

 

チェックインの列はほとんどが日本人で、すでに日本を感じた。私はここで再度荷物超過に引っかかったのだが、もう最後なので超過料金を払うことに。基本1万円くらいが相場だと知っているので、絶望だったのだが、なんとこれが18$(=2484円)で済み、私は無事ZIPAIRのファンとなった。

 

お次は荷物検査。…っとここでトートに入れていたキャンドルが引っかかる。(昨日もそれでDFWの検査通過してますよ??)検査官に「Do you mind if I open this box?」とキャンドルの箱を指され、「Yeah, sure!」と応じたが、これは本当は間違い。「Do you mind〜?」と聞かれて、良いのなら「No」と答えなければならない。頭では分かっていても、咄嗟に出てこない英語力が悔しい。もちろん「Yeah, sure!」と言っても、雰囲気で通じていたのか、検査官が迷うことはなかったが。

 

後日例の元彼アメリカ人くんに聞いてみると、「Do you mind~?」構文はネイティブでも間違うことがあり、「Yeah sure.」と答えても実際問題ないらしい。だが、彼なら「No, it's fine.」「No, go for it.」と言うと言っていた。(メモメモ)

 

検査を抜けた先のスタバで朝ごはんを調達しようとしたのだが、このスタバが大混雑。とても待ちたくないので、私は普通のカフェでサンドイッチを購入。サンドイッチとアイスティーで14$、1923円也。なんて高級な朝ごはん。

 

空港の店員はほとんどがスペイン語を話す移民だった。みんな朝からペチャクチャおしゃべりに忙しく、滞る業務ヨ。

 

旅をして変わった(?)自分

あとは搭乗時間まで暇つぶし。ゲートの前には続々と日本人が集まり始めていた。トイレに行きたくなってきた私だが、巨大トートが邪魔の極み。歯磨きもしたい。

 

そこで、隣に座ってきた、いかにも大学生っぽい1人でいた日本人の男子に、「トイレ行きたいので、荷物見ててもらっても良いですか?」と声をかけた。彼は「良いですよ。」と快く受け入れてくれた。

 

考えてみたら私は、行きのシンガポールの乗り継ぎ時間に、目の前に座っていた日本人女子3人組に声をかけることができなかったではないか。1ヶ月半前の自分が懐かしい。これぞ旅の効能?荷物がないおかげでゆっくり歯を磨き、顔も洗うことができた。

 

戻った時にお礼を伝えたが、彼はLAで1人で何をしていたのだろう。もう一言何か言えればおもしろかったが、その後は一言も話さなかった。

大雨のLA

ZIPAIR搭乗記

若干遅延していたが、ほぼ定刻に東京に向けて出発した。LCCというとげき狭なシートを想像するが、ZIPAIRは十分ゆとりがある。画面は付いていないが、スマホを置く場所がついているので、事前にダウンロードしておけば好きなものを見ることができる。

 

東京までは11時間ほどのフライトだったと思うが、ブランケットなどのアメニティのオプションを付けた人たちは全体でも20〜30人ほどに見えた。長距離のフライトなので、食事は全員付けているだろうと思っていたが、半分ほどが受け取っていなかったと思う。ちなみに食事のオプションはIKEAみたいなラインアップで、チケット購入時に選択する。私はほうれん草とチーズのラビオリにした。とても美味しかった。食事を頼まなかった人たちは、アメリカのスーパーで購入したのか、お菓子を食べている人が多かった。飲み物は比較的みんな持っていた。食べ物は空港で買うと高いので、事前に仕入れておけば確かにオプションいらないかも。

美味しかったけどね。

なぜかIKEAっぽいと思ってしまう機内食のラインアップ

最近のLCCは、画面がなくてもフライトマップを見られるように、機内Wifiを飛ばしてスマホで確認できるようになっている。一応ZIPAIRはLINEなどのメッセージに限れば、機内wifiが無料なのだが、繋がらない時もしばしば。ただ、機内で制限時間を気にせずにメッセージを送ることができるのは良い。私も家族とLINEしたりしていた。

こんな感じでフライトマップをスマホで見ることができる。

それとCAさんの制服が黒に緑の差し色ですごく可愛かった。ヒールではなく、スニーカーで働いているところも良い。日本のCAといえば、お団子をキツキツにしているイメージだったが、ZIPAIRではお団子にしないでポニーテールの方もいて、CA独特のキリッとさがなくて本当に素敵だった。私はこの多様性の方が好きなんだと思う。

 

ただいま東京

成田にはほぼ定刻に着いた。日本の航空会社なのでアナウンスはもちろん、日本語と英語なのだが、到着時には季節感を感じさせる説明があって素敵だと思った。3月の中旬だったため、確か「富士山の雪解けが進み、桜の開花が進んでいる日本へようこそ〜」みたいな話だったと思う。快適すぎた。ZIPAIR、とても推せます。

 

シートベルトサインが消え、上の棚から巨大激重トートを下ろす。行きの機内で中身をぶちまけた話を書いたが、もうすっかり慣れたもの。そのトートを見て、通路を挟んで隣に座っていた高齢の男性に、「その量を1人で運ぶって…すごいなあ。もう旅慣れてるのかな?」と声をかけられた(苦笑)そしてその男性は私の返事を待つこともなく、奥さんと見られる女性に、「もうこれが海外旅行最後だな、」と話しかけていた。なんだかちょっと切なくて、でも素敵だと思った。

 

私が帰国したときはまだワクチン証明が必要だったため、空港を出るまでに多少時間がかかったが、思っていたよりもスムーズだった。早速空港のトイレに駆け込み、はあ〜キレイ、日本好き。となった(笑)

 

成田空港から東京駅までバスで帰った。自販機で買った午後ティーがすごく美味しかったのを覚えている。

 

さて。東京の自宅に帰って気づいたが、スーツケースの中身がびしょ濡れだった。「湿っている」のではなく、絞れるくらいに。水を吸った衣類のせいで、重さも増していた。LAが大雨だったことを思い出す。恐らくLAの空港職員は、長時間スーツケースを外に放置していたと思う。

 

信じられない事態で私は絶望だったが、それがこの旅の最後の話。

 

世界一周が終わって

この旅で得たことは本当に大きくて、かけがえのないものだった。実はヨーロッパから先、本当に飛行機は飛んでいるのか不安で、東京行きの便に乗るまで、計画通りに全てが進むとは思わなかった。毎日未知の出来事との遭遇で緊張していて、日本に着いたら何か大きな行事が終わってしまったような感覚で。だから帰国して2週間ほど、燃え尽き症候群になってしまった(笑)ただそれでも旅に出てよかった。

 

誰かに会いに行くことは、誰かの愛を受けに行くことでもあるし、どこかに行くことは、ここではないところに自分の居場所を作ることでもある。それがどれだけ素敵なことなのかは、経験した人にしか分からないことかもしれない。

 

世界は旅すれば旅するほど知らないところが増えて行くという矛盾で、ここも行ってみたい、あそこも行ってみたいというところが今回もたくさんできた。だからまたきっとすぐ旅に出てしまう。(すでに夏休みにまた飛んでいた笑)

 

一方で、10代の頃は海外に住んでみたいという気持ちが大きかったが、今は日本に帰ってくる度に、日本の清潔さ、安全さ、正確さが本当にすごいなと思ってしまい、日本って良いな〜と思う。たぶんこの3つのものって、年を重ねるごとに自分の中での重要性が増してくるものなのかもしれない。

 

次の記事に、使ったお金を書こうかと思っているが、今までずっと貯めてきたお金のほぼ全てを使ってしまった。とはいえ、自由に使えるお金が決して多くない学生のうちに、ギリギリの旅をしたことで、これからの人生で本当に大切にしたいものを大切にできる気がする。

 

この先の日常生活も豊かなものになるように、一瞬一瞬を大切にしたい。見るもの、聞くもの、触れるもの、感じるもの1つ1つ、敏感に感じ取って、自分の感性を研ぎ澄ませられたら、きっと日常生活の中でも、小さな幸せとか、人との巡り合いとか、いつもは気付けない奇跡に心を動かされることがあると思う。心が動く瞬間が、人生を変えるのかなっていつも思ってる。

 

世界は本当に本当に美しかった。