今回の記事の大枠(大文字部分)
羽田→シンガポール→ロンドン→ブリュッセル→アムステルダム→ブリュッセル→ロンドン→バルセロナ→マドリード→パナマ→アルバ→キュラソー→アルバ→パナマ→ヒューストン→ダラス・フォートワース→ロサンゼルス→成田
アルバ2日目
朝食のシナモントースト
キッチンの窓から差し込む朝日が眩しくて目が覚めた。朝7時。ママさんはいつも3時半起きなので、休みの日でも癖が抜けないのかすでに起きてシャワーを浴びている。
そしていつも通りバスタオル1枚でクッキングを始めた。ママさんはパナマの家でも常にほぼ裸。とにかく暑いらしい。(多分中性脂肪のせいだと思う。)スペイン語で「暑い」は「Tengo calor.(テンゴ カロール)」と言うのだが、数十分に1回ママさんはこれを叫んでいた。これがいつもの光景。何年経っても変わらない日常に安心してしまう。
本日の朝食はママさんの得意料理、フレンチトースト。ラテンアメリカでは普通の牛乳ではなく、缶に入ったコンデンスミルクを使うことが多いので、ボウルに卵を割り、そこにコンデンスミルクを注ぐ。砂糖ではなくハチミツを入れ、シナモンパウダーをふりかける。いつもはここでナツメグを入れるのだけど、昨日のスーパーでナツメグが見つからなかったためがっかりのママさん。そこにパンを浸してどんどん焼く。途中から私が任された。フレンチトーストはスペイン語で「Torrijas(トリハス)」という単語があるけれど、パナマでは直訳した「Tostada francesa(トスターダ フランセサ)」が一般的。
…まあ…シナモンが強すぎて、シナモントーストともいえる…。
ママさんはついでに粉末ココアに熱湯を注ぎ、そこにハチミツとシナモンパウダーを大量にふりかけたココアも作ってくれた。でも正直別に私はそこまでシナモンが好きではない。スパイスの風味がきつくて半分くらい吐きそうになりながら飲み切った。
このキッチンはIH(と呼んで良いのか怪しいけどとりあえず電気コンロ)だった。ドーナおばさんは初めて見るIHに驚きを隠せない様子。だってパナマのコンロ、マッチで火をつけるタイプだもんなあ…。
価値観の理解、共に生きること
朝食が終わると洗い物は私の担当。着替えてメイクもして日焼け止めもたっぷり塗って、さあ私は出かけられる!というのに、ママさんとドーナおばさんはパナマにいる家族や友達に電話をかけ始めた。しかも1人だけじゃなく、次から次へとかけまくる。最初はすぐに終わるのかと思っていたが、結局10時半まで出かける気配もなく、私は若干イライラした。せっかくの旅行なんだから、朝から出かけたいと思うのは普通です…よね?パナマに帰れば会えるじゃないか。なんでわざわざ電話してんのよ。
…でもここでイライラしたところで旅行を台無しにするだけ。だから私もスマホをいじって気を紛らわせた。ようやく出かける運びとなり、昨日仲良くなっておいたタクシードライバーのおばさんに電話をかける。
タクシーのおばさん:「ごめんなさい〜今からそっちに行くのに30分くらいかかるけど?」
ママさん&ドーナおばさん:「30分もかかるの?そしたら11時になるじゃない。じゃあ違う人探すわ〜」
…と言うかと思ったら、
現実:「30分で来てくれるの?完璧よ!ありがとう!!!」(笑顔)
私:( °-° )(…放心状態。)
まあ確かに、専属運転手でもないタクシーが10分くらいで来てくれるのを想定している私もおかしいけれど、外に出ればタクシーはいくらでも捕まえられるわけで、30分も待つなんて貴重な旅行の時間を無駄にしている気がする。家族&友達との電話のせいですでに10時半。11時にタクシーが来たら目的地に着く頃にはほぼ午前中が終わっているではないか…。
うーん、イライラ。確かに、私はどちらかといえば計画的に行動する派で、朝型で、待つことが嫌いで、時間に正確なタイプかもしれない。でもこの状況でイライラする私はおかしい?
でもでも、パナマ人にとったら自分の旅行時間よりも、家族や友達と話すことは大切なのだと思う。自分がどこにいようと、大切な人たちに愛を伝え、愛おしい人たちが元気でいるかどうか知りたいのだ。そして旅行中の自分たちの無事を伝え、その経験をリアルタイムにシェアしたいのだと思う。そこは多分、日本で生まれ育った私とは違う価値観。
それに、パナマでは「すぐ行くね!」が2時間後だったりする。30分なんて話していればあっという間。30分は日本人の5分くらいの感覚で認識しているのかもしれない。違う文化で育っていれば、世界の見え方、捉え方もきっと違う。
文化が違う。価値観が違う。違いを受け入れることは大切。異文化理解。多様性。それは分かる。分かる。分かってはいるんだけど、それでも違いを乗り越えて共に生きていくことはすごく難しいと思う。パナマに来るたびに、パナマ人と関わるたびに思う、もはや理解し合える方が奇跡なんじゃないか、と。
だから私はもうただ流れに身を任せるだけ。心の中で一瞬イライラするけれど、「イライラしないほうが奇跡なんだ」と思うだけでスッと楽になる。それは半分「諦め」なのかもしれない。
「諦め」って、何を諦めているのだろう。多分日本で生活する中で培って来た価値観を優先することを諦めているのかもしれない。じゃあこの諦めを理解と呼ぶのだろうか。
私は異文化理解が難しいというよりも、その先にある「異なる価値観を持つ人と共に生きること」こそ本当に難しいことだと思う。違いを理解できても、じゃあその人たちと一緒に同じ生活ができるかといったら、それはまた別な話。だからきっとこの世界はサラダボウル。同じ価値観の人たち同士で集まって生活をする。違う価値観を持つ人たちを否定しているのではない。ただ、彼らと一緒に生活するためには、自分たちの価値観のどこかを妥協しなければいけないから。きっと誰も大切なことは我慢したくない。だからサラダボウルの世界は1番楽な形なのかもしれない。
…とまあ、30分もあったからこのくらい思考回路がめぐった(^ ^
キュラソー行きチケット
約束通り11時にタクシーが来た。行く先は昨日到着した空港。また25ドルもチャージされた。
なぜ空港かというと、アルバのお隣のキュラソーにも行こうという話になったから。ABC諸島間はクルーズ以外の船では結ばれていない。代わりに、飛行機が1日に何便もあるため、気軽に島間の移動ができる。ABC諸島を結んでいるのは主にDivi Divi Air(ディビディビエア)とEZ Air(イージーエア)。どちらでも良い(究極の選択だ)が、EZ Airの方は主にボネールとキュラソーを結んでいるため、アルバが拠点のディビディビにしようという話になった。空港にディビディビエアのオフィスがあるため、チケットを買うために空港に戻ってきたというわけだ。
オフィスに行くとスタッフのお兄さんは外でスマホタイム。私たちに気づくと業務開始。(いや〜ディビディビエアに就職、あり寄りのあり。)キュラソーまでは往復で1人269ドル。この日のレートはだいたい1ドル=135円だったため、3万6315円。これは高いのでしょうか。これを書いている今でも感覚が分かりません(笑)ただ、アルバで生まれ育ったタクシー運転手のおばさんは、「キュラソーには行ったことがないわ。あそこに行くならマイアミに行くもの。」とやや失笑気味に言っていた。(ちなみにここでマイアミもいいわね?という話になったけど、パナマ人は米国ビザの取得が面倒なため却下でした。)
ついでに空港でキュラソーに着いてからのレンタカー(2泊3日で1人58.80$=7938円)、宿泊先(2泊で1人67.83$=9157円)を予約した。私は空港内が凍えるほど寒かったので外で待ちぼうけ。とりあえずディビディビエアという聞いたこともない航空会社で2日後、キュラソーというこれまた聞いたことがない島に行くということが決まった。インスタのストーリーに投稿したら結構色々な人から反応が来て嬉しかったです(笑)
結局13時ごろまで空港にいた模様。ここから先はまた次に書きます。永遠に伸ばし続けて記憶も薄れ始めている気が。学校の課題の隙間に頑張ります。(ううう)