Serenita

感情の消化。

【世界一周】#13大好きな人たちに会いに行く旅 〜パナマ編〜

今回の記事の大枠(大文字部分)

羽田→シンガポール→ロンドン→ブリュッセルアムステルダムブリュッセル→ロンドン→バルセロナマドリードパナマ→アルバ→キュラソー→アルバ→パナマ→ヒューストン→ダラス・フォートワース→ロサンゼルス→成田

 

火傷事件

今日も朝が来た。昨夜はトイレにも行けず、瓶に溜めてあった水で顔を洗って寝た。そろっと膀胱は限界。バスルームに行こうとすると、ママさんが言った。「水、戻ってないよ。」

 

もう絶望。信じたくない。基本的に断水や停電は朝になると直っていることが多いのだが、今回は1年に数回しかない、1日じゃ直らないパターンだった。私、運悪い。絶対。

 

でもどうすることもできないからまた瓶の水をチョロチョロ手に出しながら顔を洗った。洗顔で洗いたいけど、泡は流すのに水をたくさん使ってしまうので、水だけで我慢する。トイレに行けないので全然食欲が湧かない。エアコンをつけてベッドにへばりついてまた寝た。

 

この日は日曜日なので教会の日。でもママさんは「教会行かなくていいよ」と言ってくれた。初めてのことだった。留学中、ズル休みをするとすごく不機嫌になるくらいいつも私を教会に連行したのに。従姉妹の2人も一緒にお留守番することに。

 

私は部屋に1人。とりあえずシャワーを浴びるか、、、。ママさんは私に20Lのタンクを置いていってくれた。どうせそのタンクからチョロチョロ水を出して浴びなければならないので、お湯にするか〜と思い立った。

 

ママさんが初日に見せてくれた電気ケトルに水を注ぐ。満タン(1L)まで入れたらコンセントを指してスイッチオン。お湯を沸かしている間に20Lのタンクの水をバケツに8分目くらいまで入れた。当たり前だけど、このタンクが重くて重くて肩が壊れたかと思った。そしてそこに沸かした1Lの熱湯を注ぐ。ところがこのケトルがパナマクオリティなのかなんなのか、出口以外のところから熱湯が漏れて来た。そして私の足に思いっきり降りかかる。

 

(隣の家まで聞こえるレベルの悲鳴)

 

私はその瞬間この旅の終わりを悟った。ああ、もう足がただれて私は病院行きだ〜。しかも慌てて冷やそうと蛇口を捻ったが、水が出ない。そりゃそうだ、断水中。急いで残っていたタンクの水をかけた。もう焦りすぎてほぼ涙目。

 

でも!!!人間の肌は意外と丈夫だった(多分)。その後赤くなってヒリヒリ感が少し残っただけで激アツな瞬間は一瞬だった。※個人の体験です。

 

その後は足を開いて遠目からケトルの熱湯をバケツに移した。かき混ぜるとちょうど良い温度になっている。プラスチックのコップが置いてあるので、お湯をすくって体を洗った。髪の毛は我慢。パナマの人はもともと頻回に髪を洗わないので、特に不清潔だとは思われない。私の気持ち的には許せないけど、今水は貴重なので無駄なことはできない。断水は嫌だけど、おかげでこのお湯にして水を浴びる方法の良さに気づいた。(火傷しないように厳重注意。)

 

体を綺麗にし、新しい服に着替え、冷凍庫の氷を足に当てた。あの時は死んだかと思ったが、意外と丈夫で安心。

 

断水時のトイレ事情

ママさんを待っている間に膀胱が限界を超えたので、トイレを使うことにした。せっかくなのでパナマの断水時トイレ事情のリアル。

 

まず我慢が基本。パナマ人もなるべく行かないようにしている。ただそれでも生理現象は止められないので、行きたくなった場合の選択肢4つ!

 

1!普通にトイレを使い、貯水している水で流す(薄める)。もともとラテンアメリカではトイレットペーパーを流せないので、ペーパー問題は起こらない。この方法はただ水で流すというか、薄めているだけ。最初に行ったもん勝ち感はある。

 

2つ目。シャワーのところでする。これは貯水の水で流せるので結構良い。服を脱ぐのは面倒なので水を浴びるついでにみんなしてる、うん。

 

3つ目。外出ついでにトイレによる。基本的に周辺一帯が断水しているので、少し遠いコミュニティに行く用事があったり、スーパーとか商業施設のトイレを借りる。でも夜だと使えない技…。

 

最後は経験ないけど、庭とか外でするパターン。まあ特にNo.2を我慢できない時にします。

 

振り回される私たち

教会はかなり長いので、暇だった私は近所の仲の良い中学1年生とテキストメッセージのやり取りをしていた。そして彼女が私の家に来てくれた。彼女について詳しくは、「持って行くお土産紹介」の記事で書いているが、8年前の留学中私にとって第二の家族のような存在だった。以来ずっとテキストでやり取りをしていて、会えることを楽しみにしていた。

 

ところが面倒なのが、この8年間でうちのママさんとこの家族の関係が最悪な状態になってしまったこと。初日にこの女の子のお母さんがうちのママさんに電話をかけてきたのだが、ママさんはその電話後なぜか超激怒。「絶対あんな家族とは仲良くしないでね!!」と言ってきた。(怖)

 

そもそもこの家族と仲良くなったのは、私の留学中も仕事で忙しく、私の面倒を常に見れないママさんが私のことを預けたからで、この8年間に何があったのか知らないが、ママさんとの関係性が悪化していたとしても、私にとってはその家族がママさんと同じくらい大切な存在なのである。勝手に信頼して勝手に仲悪くなって、振り回さないで欲しい。

 

従姉妹の2人は特に私に何か言ってくることはないため、私はママさんがいない間に彼女のお家に遊びに行くことにした。彼女は3つ下に妹がいて、この日はその妹とお留守番のためおばあちゃんが面倒を見にきていた。(このおばあちゃんはママさんの弟の奥さんという関係性。)私が彼女に日本からのお土産を渡すと彼女は大喜びだった。彼女の部屋に行くと、私が3年前に彼女に渡した物が大切に引き出しの中にしまわれていた。「大切だから使いたくないの。」と言って出てきた文房具たちは私が渡したときのまま、包装紙も大切に取ってあった。この子と一生仲良しでいたいな、と思った。ちなみにもちろん彼女の家も断水中なので、苦労を労わりあった(笑)

 

フード提供に1時間

ママさんが教会から帰宅する前に中学生のお家を去り、何食わぬ顔でママさんの帰りを待った。しかし帰ってくるなり従姉妹の2人がそれをママさんに喋ったので、ママさんはおこ。「あの家族はおかしい家族なの!!!」と私に言い放ち、「あなたが誰と仲良くしようと何も言わないわ。でもあの家族だけは本当にダメ!!!!!」と。。。

 

そして車でシャーマンと呼ばれるエリアまで昼食を食べに行った。断水時はお皿を洗ったりできないので外食をすることが多い。私はこのエリアに行くのは初めてだったのだが、すんごい遠くてびびった。パナマ運河の橋を超え、途中から熱帯雨林の中のろくに舗装されていない細い道を行く。ママさんはお腹がぺこぺこらしく大暴走。途中で警察の検問があり、車を止められたママさんは大絶叫。

 

着いたレストランはとてもおしゃれで観光客向けだった。カリブ海沿岸のこのエリアはヨットがたくさん泊まり、秘境ビーチを求めてくる富豪欧米人で溢れていた。英語ばかり聞こえてくる。メニューを見ても値段が欧米基準。私はパナマフードにしようかと一瞬迷ったが、食べたいのはチキンではなかったので無難にバーガーにした。(パナマフードは基本チキン。)

オシャレな雰囲気。

ここにきた人が自分の国のものを置いて行く?場所らしいけど、「道」ってきっと日本人ですよね…!?すごい、こんなところまで到達した人がいるなんて。

 

注文後1時間以上フードが出てこなかったのでママさんだけでなく、私も死にかけていたが、味は美味しかった。そしてちゃんとトイレを使う。帰りに隣のコミュニティの知り合いのおばさんの家に寄り、タンクに水を入れてもらった。このおばさんの家は井戸があるため、断水していても水がある。こうやって助け合うから何が起きても生きていけてしまうラテンアメリカ。そして多分タンクの水をあほみたいに使ったのは私…。ごめんなさい。火傷事件起こしてました。

 

家に帰ってきてもまだ水は出なかった。もはやため息どころではない。

 

黄熱病ワクチン

さて、この次の日からカリブ海に浮かぶアルバ(Aruba)という島に行く。遡ること11月。私がパナマに行くことを決め、ホストママに連絡をすると、彼女がアルバへの往復航空券を買ってプレゼントしてくれた。もちろん私も最初「アルバに行くよ」と聞いたとき、「アルバ???なにそれどこですか????」となった。パナマ人に話してもほとんどみんな「どこだっけそれ?」という反応だったので、別に「パナマ人に人気」というわけではない。でもなんとなく聞いたことがあるような、そんな感じの印象だった。

www.google.com

 

アルバについて詳しくは次の記事で触れようと思う。

 

ここで大問題が発覚。日本語で検索してもあまり情報が出てこないので、ほぼ何も知らずに行こうとしていたのだが、パナマからアルバへの入国には黄熱病のワクチン接種証明であるイエローカードが必要だという。パナマは地味に黄熱病の感染リスク国に指定されているため、パナマ人だけでなく、パナマに12時間以上滞在した人は国籍関係なく必須となるらしい。

 

え、聞いてない聞いてない。

 

パナマ人は安く接種することができ、イエローカードを持っている人も多い。旅好きのママさんもちゃんと持っていた。私が今からパナマで黄熱病ワクチンを接種すると、外国人枠なので100ドルは取られるとのこと。ママさんが「多分大丈夫でしょ。」と言うのでもう諦めよう。…アルバは一応オランダ領である。ラテンアメリカのゆるゆる感覚で行って大丈夫なのか?と思いながら、まあでも多分日本人だから大丈夫だろう、という破綻した論理で落ち着かせた。ただこの頃運の悪い私。どうなることやら。というか、パナマにこの先も多分通うので、帰国したら黄熱病ワクチンを打とうと思った。

 

夜10時ごろまでママさんと映画を見ながらパッキングをしていると、水が復旧したとの一報が!!!!歓喜の舞でバスルームに直行し、蛇口を全開にする。水圧は弱いが出てくる!復旧したばかりの水は泥水のため、透明になるのを待って2日ぶりのシャワー。涙が溢れた(気がする)。水って本当に、ありがたいもの大切なもの貴重なもの!!!

 

次の日なぜか9時の便なのに朝4時に家を出ると言われ、本当にラテンアメリカ人の時間感覚分からないな〜と思いながら寝た。しんどい。5時で間に合うってば。