Serenita

感情の消化。

【世界一周】#12大好きな人たちに会いに行く旅 〜パナマ編〜

今回の記事の大枠(大文字部分)

羽田→シンガポール→ロンドン→ブリュッセルアムステルダムブリュッセル→ロンドン→バルセロナマドリードパナマ→アルバ→キュラソー→アルバ→パナマ→ヒューストン→ダラス・フォートワース→ロサンゼルス→成田

 

カーニバル

突然だが、カーニバルの話から。

 

日本でもブラジルのリオのカーニバルのことは聞いたことがあると思う。毎年2月の中旬〜下旬あたりに開催されるが、ブラジルに限らずラテンアメリカはおそらくどの国もカーニバルがある。流石にリオほど大きな規模ではないけど。そしてちょうど私がパナマを訪れた時がカーニバルウィークだった。パナマのカーニバルは水を掛け合ったり、ただデコレーションを楽しんだり、フェスがあったりという感じ。

 

この日は土曜日。ホストママと従姉妹の2人と首都パナマシティで行われるカーニバルのイベントに行くと言われた。このイベントは初めてパナマに来た8年前にも連れて行かれたため、2回目。ポップコーンをひたすら食べていた記憶しかないけど。

 

まず昨日のティルシアおばさんを拾った。他にも教会の仲間10人以上と一緒に行くため、ママさんがミニバス(?)をコーディネートしたらしく、私たちはママさんの車で行くが、一応ダウンタウンの集合場所の様子を見てから行くらしい。これは日本人にはあまり想像できない感覚だが、基本的に引っ越さなければ生まれてから死ぬまでずっと同じ教会に通うため、教会の仲間というのは学校のクラスメートよりも長い付き合いであり、もう1つの家族のような存在なのだと思う。

 

これも前書いたかもしれないが、ラテンアメリカカトリックを信じている人が大半。でも私のホストママはジャマイカ系の移民のため、プロテスタントを信じている。(ジャマイカはイギリスの植民地だった。)

 

教会のメンバーに挨拶をし、みんなをミニバスに乗り込ませ、私たちもママさんの車でパナマシティの会場に行った。そうそう、会場に着いてから理解したけど、このイベントはアフロ系の人たちによるイベントのため、会場内99%が黒人。私は唯一のアジア人で若干の部外者感がある。ママさんは私のことを放り出して、井戸端会議に花が咲く。あ、そうそう、ママさんは典型的なおしゃべり好きなラテンアメリカ人そのもので、1回話し出したらミニマム30分、大体1時間は話しているので、もう井戸端会議というか、国会開催。

首都パナマシティ

私は椅子を勝ち取ると、時差ボケと車酔いなど諸々な疲れでうとうとし始めた。会場にはステージがあり、子どもたちが伝統ダンスや歌を発表したり、DJが出て来てラテンポップを流したり、よく分からないアマチュア(?)歌手が出て来て歌ったり。眠たいのだけど爆音すぎて寝れない。わきの方には屋台がたくさんあり、パナマカリブ海フードが売られている。うとうとしている私に、ママさんがフィッシュケーキとエンパナダを買って来てくれた。(渡した瞬間また国会スピーチのためいなくなった。)

エンパナダ

パナマの食べ物ミニ紹介

フィッシュケーキとは、小麦粉を水で練り、魚のすり身や野菜を混ぜて丸めて揚げたもの…?で、少なくともカリブ海側の私の住んでいた街ではよく食べる。ただ多分パナマ料理というよりは、カリブ海料理に分類されると思う。カリブ海沿岸はイギリス植民地だったジャマイカをはじめ、島国の影響が強く、中南米オリジナルの文化とはまた少し異なる。私のママさんは家でもよくフィッシュケーキを作っていた。この会場で食べたフィッシュケーキよりずっと美味しかった思い出がある。

 

エンパナダは「中南米の食べ物といえば、」で出てくる食べ物だと思うが、餃子を10倍した形で餃子の10倍くらいの厚みの皮で包まれている。あ、揚げるから揚げ餃子だ。(餃子で比較。)中身は肉だったり魚だったり色々で、国によっても違うのだが、パナマでは緑のバナナ(調理用バナナ)が中身のエンパナダがよくある。これを「Plantain tart」と言ったりする。味は結構甘くて周りの皮はパサパサ。何よりもの特徴は、中身の調理用バナナが赤ピンクなところ。ビーツに似た発色で初めて食べると驚くかもしれない。これは着色料で、他のエンパナダと混ざった時に穴を開けて区別するときのためだとママさんは言っていた。日本で言うならたい焼きに付くゴマ的な感じかもしれない(え)。エンパナダは日本人ウケするのか知らないけど、私はあのパサパサ感と中身の少なさ的にあまり好きではない。(正直)(中身:皮=1:2)(個人的な感覚です。)

エンパナダを売る女性。左から肉、タラ(魚)、調理用バナナ。

暇だった私はいつもの人間観察に勤しんでいると、アイスを食べている人を発見。ティルシアおばさんと一緒にアイスの列に並ぶことに。2ドルで3色アイスがコップいっぱいにくるので私は良いじゃん♪と思ったけど、後からママさんに「ぼったくりのアイス屋だね」と言われた。その「ぼったくりのアイス屋」は、無口の黒人のおじいちゃん。どこからともなくアイスのカートを引いてやってきた。味はいちご、ぶどう、パッションフルーツ、パイン、レモンの5種類が書いてあるのだが、実際はいちごとパインとレモンの3色しかない。最後に練乳をかけてくれる。パナマではかき氷にも練乳を最後にかけることが多いが、日本の練乳とは少し違いコンデンスミルク(?)みたいなもの。コロンビアでもよく登場する。一部始終を動画で撮っていたら、それをティルシアおばさんがママさんに報告していた。なんとなく、昭和の日本って感じがして撮りたくなったのです(笑)

アイス屋のおじいちゃん。

陽キャピーポー

私はお腹いっぱいになった。DJが登場してサルサなどを流すと、オーディエンスの7割が前に出て踊り出す陽キャだらけのこの国すごいな〜と思って眺めていると、ママさんに連行される羽目になった。でも楽しかった。8年前はポップコーンを食べていただけで、楽しかったという感情の記憶はないけど、今回は知っている曲を口ずさみ、パナマ料理を食べ、陽キャ体験。幸せだった。

 

ちなみにパナマでこの時超バズっていたのがこの曲。2週間の滞在で何回聞いたか分からない。

www.youtube.com

次の日、ティルシアおばさんとママさんがサルサを踊っている様子が新聞に載り、大騒ぎすることをこの時はまだ知らない。

 

水が…出ない件よ。

さて。半日パナマシティで過ごし、私たちは家に帰った。帰宅したのは20時をすぎていたと思うが、家に帰ると水が出なかった。断水だ。近所の上水道パイプが破裂し、かなり広範囲が被害にあった。首都ではそこまで多くないが、地方ではかなりの頻度であることなので、驚きはしない。まあ、今回の規模は稀だが。前も書いたけど、留学中辛かったのは停電よりも断水。電気はなくても生きていけるが、水がないとトイレに行けないのでしんどい。あとパナマは暑いのでシャワーを浴びることができないのも。よくあることなのでパナマ人はタンクなどに日頃から貯水しており、この日は桶に貯めてあった水で顔を洗って寝た。大体朝になると直っていることが多いので、「夜さえ乗り切れば、」の精神。トイレも行っておけば良かった〜と心の中で嘆いたけど、寝るに尽きる。

このような感じで普段から貯水してある。

独り言

話は戻るけど、パナマの全人口における黒人の割合は10%弱とそこまで大きくない。でもカリブ海沿岸ほど島国からの移民が多いため、黒人の人口は多くなる。私の住んでいる街は私の体感的に8割が黒人。だから私は最初パナマ人は黒人なんだ、と思っていた。でもそうではない。パナマシティに行くと白人や、ミックスの人々が多くいる。そしてママさんのように母語として英語が話せる人もこのような島国をルーツに持つ人が多い。「普通の」パナマ人は英語がほとんどできない。私は留学した時、ずっとママさんといたので、ママさんのコミュニティしか知らなかった。するとパナマ人は黒人が多く、パナマ人は英語がペラペラ、というイメージを持ってしまっていた。結局どのコミュニティから見るかでこの国の見方はとても変わる。パナマだけに限らないかもしれないが、本当に多様な層でできている国を理解することは難しい。