Serenita

感情の消化。

【世界一周】#26 大好きな人たちに会いに行く旅 〜アルバ(再)編〜

今回の記事の大枠(大文字部分)

羽田→シンガポール→ロンドン→ブリュッセルアムステルダムブリュッセル→ロンドン→バルセロナマドリードパナマ→アルバ→キュラソーアルバパナマ→ヒューストン→ダラス・フォートワース→ロサンゼルス→成田

 

アルバに戻って1日目。上記の旅程を見て分かる通り、私の大好きな人たちに会いに行く旅は、もう後半に差し掛かっている。

 

看護学生の私

さて、私が目を覚ますとそこは見慣れたキッチンだった。アルバに帰ってきた。朝ごはんに何を食べたか、正直もう思い出すことができない。だがこの日も、いつもの強烈スパイスココアを飲んだ記憶がある。朝食の後はママさんたちの恒例、パナマの人々との長電話も再開された。

 

特に予定がなかったので、首都に行き、最後のショッピングをするという。AGAIN?!現金ないんだよなあ〜と思いつつ、ママさんたちについて行く他選択肢はない。この日は徒歩。確か2kmほどの道のりだったと思う。(私は東京にいると3kmは徒歩圏内だと認識しているし、歩くのがそこまで苦だと思わない人間。)

ドーナおばさんは鍵を管理する役

この日もあまり天気が良くなかった気がする。歩いている途中で雨がポツポツ降っていたことと、うちの最強ママさんが貧血になった時の話だけはよく覚えている。

 

ママさんは若い頃、ひどい貧血に悩まされていたらしい。ある時失神してしまい、病院に運ばれたとか。彼女の母親は彼女を家に連れて帰ると、牛(だったか豚だったか)の腎臓をミキサーにかけて飲ませたらしく、今までの人生であの「腎臓ジュース」以上に不味いものを口にしたことがないと言っていた。(苦笑)

 

彼女の母親もまた、最強癖強めママさんだったのか。と、ある意味納得。ママさんはずっと母親と暮らしていたが、今から10年ほど前に亡くしている。その母親の部屋が空室になったので、留学生の受け入れをしていた。ママさんは母親のことをとっても愛していた。

 

そういえば、その貧血の話の流れでママさんが、「あなた看護学生なら採血とか注射とかできるわけ?」と聞いてきたので「もちろん」と言った。するとママさんもドーナおばさんも「絶対あなたには針を刺してもらいたくないわ」「あなたにだけは無理」と言い出す。運転同様、私の注射を恐れるのも世界共通案件らしい。えと。えと。👉👈

 

それと、この話は医療系学生以外全く興味ないことだと思うが、ママさんが「いっつも血管が見えなくて看護師が困るのよ〜」と言って腕を見せてきて初めて気付いたことがある。私のママさんやドーナおばさんは純粋な(というのが正しいのか分からないが)黒人である。すると当然肌が黒いため、静脈を目視で見つけることは困難なのだ。確かに、見えないじゃん…。日本で看護学生をしていると考えたこともないことだったからおもしろい。人種によって罹患しやすい疾患も異なる。多様な人種が住む国で医療従事者になるということはどういうことなのだろう。

 

※もちろん血管は目視だけでなく指先で触れて確認しているし、調べてみると経験を積めば見えなくても場所が分かるため、肌の色が問題になることはないらしい。ついでに私もわりと血管が出ない人間で、最低3回は針を刺されるから、いつも採血後は両腕に絆創膏の人種。と考えると肌の色がどうということではないのかもしれない。

 

日曜日のアルバ

さて、そんな話をしながら首都に到着した。が、この日の首都はまるで違った。ほとんど人はいないし、お店も開いていない。お土産屋さんもほとんどが閉じており、開いているのは数店のみ。どうやら日曜日は全力でお休みらしい。

 

アルバに行くなら日曜日は気をつけたほうが良い。

静かな海

お土産を買い終わり、お昼ごはんを食べようにもどこも開いていない。スティーヴンから以前「Red Fishというレストランが美味しい」と聞いていたため、その店に行きたかった。ネットがないため、エアビーでダウンロードしておいた地図を使う。

アルバの警察署。平和な島すぎて警察も暇そうと信じたい。

しかしこの日すでに2kmの道のりを歩いた我々。ドーナおばさんは足が悪いので限界がきている。それでも30分ほど歩いただろうか。時折日差しも強く、私も我慢できなくなってきた。ママさんに地図を見せてもらうと、残りなんと3km。3kmは徒歩で1時間弱。パナマ人は基本的に歩く習慣がないため、何kmと聞いてもイメージができない。

 

「3kmは1時間だよ?分かってる?」と伝えると「本当に言ってる??」と驚く2人。私は2人を説得し、引き返すことにした。そのままエアビーまで1時間以上歩き続け、この日の体力を全て消耗した。

綺麗なレストランも日曜日はお休み

歩いているときに車が通るとママさんは、「この国の人たちは観光客が路頭に迷って歩いているにもかかわらず、助けようともしないのね?私なら絶対に声をかけるわ!!!」と言っていたが、まあ…あなたはコミュ力おばけですからねえ…。

誰もいない首都。車や人が少ないので映え写真を撮るなら日曜日がおすすめ。

初めてのおつかい in アルバ

さて、私たちはアルバに来て初日、スーパーフェンウェイで、Mac and Cheeseを購入していた。多分日本でも有名だと思うが、マカロニとチーズという間違いない組み合わせのあの食べ物。パナマでもよく食べるのだが、私は久しぶりにあれが食べたい気分だった。

 

作り始めるとバターが必要だとママさんが言う。バターを買いにひとりでフェンウェイにおつかいに出された。もう足はボロボロだし太陽は暑いしお腹はペコペコだし。フェンウェイに着くと冷蔵庫に直行し、日本だったら400円くらいしそうなバターのスティックを、1本たった1$で購入した。

 

アルバで恋に落ちた話

バタースティックといっても、ただワックスペーパーで包まれているだけなので、溶けたら手がベトベトになりそう。急いで帰ろうと入り口の扉を押すが、押しても押してもビーサンが滑るだけで扉がびくともしない。(「引く」の扉を押し続ける私はかなり滑稽だったと思う。)

 

すると突然扉が手前に引かれる感覚があり、扉が開く。後ろを振り返ると、そこには超イケメンのアルバ人と思われし男性がいた。(韓ドラならスローモーションで花が舞うシーン。)イケメンすぎて思考回路停止。

 

えっ。わっ。セ、Thank you!

 

慌ててスーパーを飛び出す。

 

どうしようイケメンすぎるどうしよう!!!

 

お店の前には普段なら交通量がわりとある道路があり、エアビーに戻るにはそこを渡らなければならない。だがこの日は日曜日。交通量もゼロですぐに渡れてしまった。それでももう一度顔が見たくて、私は後ろを振り返った。

 

そしたら!!!!

 

店を出た彼が手を降ってくれていた。

 

(韓ドラなら再びスローモーション+音楽。)

 

はあ〜〜〜もう無理だ。イケメンすぎる!!!

 

韓ドラならこれで恋に落ちて20話くらいのストーリーが始まるだろうが、残念ながら韓ドラではないのでこのストーリーはこれで終わり。連絡先も知らないし、もう一生会えない。現実は儚い…。

 

エアビーに帰りながら妄想が止まらない。もし付き合ったら、アルバ人の彼氏は色々大変そうだ。アルバは世界の果てだと思ったくらい遠い場所。遠距離恋愛が永遠に続くことになる。しかも友達や家族に「アルバ人の彼氏」なんて言った日には、アルバってどこ?から始まる。そのくだりを何百回も繰り返すのはめんどくさい。そのうちオランダ人ということにするだろう。いや〜めんどくさいめんどくさい。…妄想は止まらないが、別に彼に告白されたわけでも、話しかけられたわけでもない。ただの妄想❤︎

 

現実

何事もなかったかのようにエアビーに帰り、Mac and Cheeseを完成させる。幸せすぎるくらい美味しかったのは彼のおかげだと思う。(絶対違う)

美味しすぎた。スパム&ビーンズもよくママさんが作るものの1つ。

その後3人で仲良くベッドでお昼寝。2人の真ん中でスマホをいじりながら、涙が出てくるのを必死に堪えていた。もうこの旅が終わってしまう。楽しかったというのもあるが、ママさんといろんな話をしたこと、8年たってもここには私の居場所があること、何度周りの人に不思議がられようと、肌の色が違おうと「She is my daughter.」と言ってくれること、全部がすごくあたたかかった。心の傷が全部癒されて、なんというか、守られている気がした。

とっっってもだいすき❤︎

この次の日の便でパナマに帰国した。その話は次回書く。ついでにアルバについて書きたい話がもう一つあるので、次回にぶっ込みたいところ。実はパナマの後に行ったアメリカの話は、ほとんど書くことがないので、この調子なら6月中に旅行記を完結させられそう(拍手)